「計画」を実行に移すためには「目標」を立てなければなりません。しかし、目標は立てることが目的なのではなく、「どうすれば達成できるのか」を明確にする必要があります。最初に立てる目標は曖昧でも構いませんが、大切なのはその後のプロセスです。最初に立てた目標を見て、「それは何をどうすることなのか」「何がどうなることなのか」を掘り下げていきましょう。目標の内容を具体的にすることで、実際にすべきことが明確になります。そうすれば目標を達成する可能性が高まり、良い結果につながります。重要なのは、具体的な目標を立てることです。
手順としては、「一先ずの行動目標を定める」→「それは患者に対して何をすることなのか、患者の何がどうなることなのかを確認する」→「その内容を基に、行動目標の内容をブラッシュアップする」といった流れになります。
「行動計画の振り返りがただの日記になっている」という指摘を受ける人は、行動目標を見直しましょう。日記のようだといわれても、具体的に何をどう改善すれば良いのか分からない人もいるかと思います。看護現場における行動計画の振り返りとは、一般的に「目的を果たす行動ができていたかを評価すること」です。「何をしたのか」も重要ですが、「それが目的を果たす行動だったのか」を判断しましょう。「自分が~をした」「患者が~をしていた」といった内容では結果だけが示されているので、いわゆる日記になってしまいます。行動目標の基本は「~のために、~をする」という形です。
例えば、排せつのセルフケア不足を解消するための看護計画を立て、排せつ行為の自立を目的とした援助をするとします。そこで「自力でズボンの上げ下げができる」という看護目標を立てた場合、安定した立位を保持することが目的になるため、「安定した立位を保持するため、立位の保持に関わる運動をする」という行動目標を立てられます。実際に看護をした後に振り返りをする際は、「どのような運動をしたのか」だけでなく、「その内容が安定した立位を保持するための運動として適切だったか」を評価しなければなりません。つまり、「予定していたことを実施したか」ではなく、「実施したことが効果的だったか」が重要になります。
目標と計画は常に抱き合わせです。実施した行動計画を振り返る際には、目標を達成するための計画として適切だったかを意識してください。